小学校プログラミング教育の狙い
文部科学省が提唱する小学校プログラミング教育は、2020年度から本格的に導入されました。
その狙いは、以下の3つだと書かれていました。。
- 「プログラミング的思考」を育むこと
- プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータ等の情報技術によって支えられていることなどに気付くことができるようにするとともに、コンピュータ等を上手に活用して身近な問題を解決したり、よりよい社会を築いたりしようとする態度を育むこと
- 各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、各教科等での学びをより確実なものとすること
[2]を読むと、『現代はコンピュータ社会なのでコンピュータの仕組みぐらい少しは分かっておけ、それを活用できるようになれ』と書いてあるようにも読み取れますが、プログラミング教育としてはそこまで求められていません。
どちらかというと[1]に重きを置いているようです。
文部科学省はこうも言っています。
プログラミングに取り組むことを通じて、児童がおのずとプログラミング言語を覚えたり、プログラミングの技能を習得したりするといったことは考えられますが、それ自体をねらいとしているのではない
つまりプログラミング言語を使ってプログラミングすることが「プログラミング教育」ではなく、プログラミング的思考を育むことが「プログラミング教育」と言うことです。
これは、プログラミング教育に必ずしもパソコンやタブレットといったデジタル機器は必要ないということです。
といっても、小学校で配布される iPadなどのタブレットでプログラミングのアプリを入れてデジタルでプログラミングをすることが、子供にとっても分かりやすくて楽しいし、教える教師にとっても簡単で分かりやすいです。
小学校ではこの手法で教えることが多いのでしょう。
でもそれだけじゃない、パソコンやタブレットを持っていなくても、プログラミング的思考を育むことができます。
プログラミング的思考とは
プログラミング的思考とは、目的を達成するために必要な手順を、順序立てて考え、実行することです。
例えば、信号機のプログラミングを考えてみましょう。
青色を30秒光らせる
↓
青色を消して、赤色を30秒光らせる
↓
繰り返し
というような動作になっていますよね。
更に、交通量の多い時間帯なら赤色を40秒に変えるなどという条件を付けることもできます。
こういった動作のしくみを考えることがプログラミングです。
実際にパソコンやタブレットを使ってプログラミングを行えば、上記の動作を入力して結果を見ることができます。
目的を達成するためにどうやって動けばいいのか。
どこにどういう条件を付け加えるか。
それを考えるのがプログラミング的思考です。
プログラミング教育の重要性
プログラミング教育の重要性
プログラミング的思考は、プログラミング言語の習得だけではなく、あらゆる分野で必要とされるスキルです。
例えば、ビジネスにおいては、問題解決や計画策定、プロジェクト管理などに役立ちます。
また、社会生活においては、自分の意見を論理的に伝えたり、複雑な情報を理解したりする際に役立ちます。
つまり、プログラミング教育は、子供たちが将来、社会で活躍するために必要な力を育むための重要な教育です。
小学校プログラミング教育の本質は、「プログラミング的思考」の育成です。
プログラミング的思考とは、目的を達成するために必要な手順を、順序立てて考え、実行することです。
プログラミング的思考を育むためには、問題解決の経験を積む、手順を論理的に考える訓練をする、プログラミングの基本概念を理解するなどの方法が有効です。
プログラミング教育は、子供たちが将来、社会で活躍するために必要な力を育むための重要な教育です。